第3段階 人口の確定
37. 対象となる難民集団の一人ひとりに、確認表(付表2参照)または手首につけるリストバンドを配る。これにより集団の大きさを一時的に確定し、後に詳細な情報を集める。こうした確定段階がないと、登録作業は堂々めぐりになって、ひずみと登録の悪用が拡大する。二重ないし虚無の登録を防ぐためには、迅速な(できれば数時間以内、長くても1日での)作業が必要となる。難民たちには実施時期が直前に通告されるかもしれないが、作業の目的をきちんと理解してもらう必要がある。
第4段階 情報の収集と登録カードの発行
(a) 管理表に一定の情報を記録し、仮登録カードを発行する。
38. この段階(仮登録カードの発行を含む)は、次回の食糧が配給される以前に行なう。整理券やリストバンドを持つことは、難民一人ひとりの援助の必要性とは関連がなく、食糧や救援物資を配給するための証明とはならないからである。
39. 通常は、すぐに詳細な情報を集める時間的余裕はない。しかし援助は緊急を要し、基本的な人口統計データも必要となる。したがって第1段階として、整理券またはリストバンドと交換で、全世帯の家長に仮登録カード(配給カード〈ration cards〉)としても使用。付表2参照)を配り、管理表(control sheet、付表3参照)に一定の情報を記録する。ほとんどの場合、この情報は家長の氏名、家族の人数と年齢・男女別の構成、仮登録カード番号に限られる。家族の中で一目で弱い立場にあると分かる人がいる場合はその記載もする。(付表4、5参照)。
(b) 登録用紙の記入と、登録カードの発行。
40. 第2段階は、登録用紙(付表4参照)に詳細な世帯情報を記録し、長期用登録カードを交付することである(長期用登録カードは配給カードとしても使用され、標準的なUNHCRカードは約1年間、または24から36回の配給に使える)。仮登録カードを発行せず、確定段階のすぐ後に長期用登録カードを交付する場合は、配給の中断を避けなければならず、発行手続きに時間の制限が生じる。仮登録カードの交付後に長期用カードを交付すれば、仮カードの有効期限を限定しながら、長期用カードの発行を長期間にわたって行なうことができる。
登録用紙はUNHCRによる登録作業で核となる書類であり、将来の登録を参照、分析、照合、更新する際の基礎となる。
41. この段階では、援助対象者の身元と、大勢の人への援助の供給に必要だった簡略化された書類の間に確認可能なつながりができる。情報収集を2段階にするのは、第2段階にかなりの時間がかかる可能性があり、その間も物資を配給するためには登録情報が必要だからである。この段階では、現地語を話す職員がいること、現地語――特に名前――をアルファベットに置きかえる共通ルールがあることが非常に重要である。
第5段階 コンピューター入力
42. コンピューター入力は、登録カードの配付後に始めてもいいし、資源が揃っているなら同時に始めてもいい。コンピューター入力には、通常FBARS(Field Based Registration System、フィールド用登録システム)を使う。データ、特に危険な状態にある集団のデータの収集と入力を円滑に行なうために、UNHCR登録用紙には標準化されたコードを使用する(付表5参照)。
43. データ入力は、訓練を受けたデータ入力作業員が現場で行なうか、外部のデータ入力専門会社に外注する。