UNHCR本部から取り寄せが可能で優先措置ハンドブック、緊急登録簿、カメラ、機材、基本物資が入っている。
47. 子どもたちに登録用紙と配給カードを配布し、これらの書類(最近の写真を含む)は子どもたちが移動する際、常に一緒に移送する。こうした措置によって、養育の手配が失敗した場合も混乱が避けられる。
48. 保護者のいない未成年者には、個別に調査や健康診断を受けさせる。親身となり、型にはまらず、想像力を働かせた面接方法は非常に重要となる。面接は、入念に訓練を受けた難民、できれば相手の子どもと面識があり、子どもが信頼する者によって実施されるのが最も望ましい。通訳が必要な場合は、通訳の仕事は言葉を訳すだけであることを十分説明し、面接者と子どもとの個人的接触を妨げないようにする。子どもたちの反応は、トラウマ、恐怖感、はにかみ、などの程度によって大きく異なるだろう。面接に友だちを同席させれば、子どもは安心するだけでなく、重要な情報も口にするだろう。子どもを連れてきた付き添いの人物も面接する。
49. 保護者のいない未成年者を見つけたら、直ちに親や家族の追跡調査を開始する。2年間の調査をしなければ、家族の追跡調査をやりつくしたとはいえない。時には間違いや誤った申し立てもあるので、再会の申し立てはすべて確認が必要である。
保護者のいない未成年者のケアと保護
50. 難民緊急事態の間に肉親と生き別れになった子どもは、難民コミュニティによって、特に親族によってケアされる場合が多い。
子どものケアに特別の措置が必要となるのは、コミュニティが子どもをケアすることができない場合に限られる。
子どもは、できるだけ家族と一緒にいさせる。施設に入れても、子どもの成長上のニーズや、社会的・文化的に社会に溶け込む助けにはならないからである。親戚や民族、または文化が同じ人々の保護を受けるのが理想的である。
51. どんな子どものケアでも、安定した関係を築くことが最も重要な原則のひとつである。ケアする者との間に形成される情緒的なきずなが重要なためである。保護者のいない未成年者は親、または認知された保護者が見つかるまできずなを継続できる家族の元に置かれるべきだ。親や本来の保護者とのきずなを取り戻すまでには時間が必要となる。したがって里親家族とのつながりを突然断絶しないようにしながら、親との関係を取り戻せるようにするため、ふたつの家族との関係が重複する時期も必要となろう。何年もの月日がたっている場合は、里親家族といるほうが子どものためになる場合もある。UNHCRでは、通常、16歳以上の保護者のいない未成年者には、自分の問題の恒久的解決策を自分で決めさせている。
52. 里親家族によるケアの基準は、コミュニティと協力して設定する。里親によるケアの取り決めは、契約や合意を調印してできるだけ早く正式な形にし、肉親が見つかった場合は子どもを返すという了解事項を盛り込む。特に貧困な里親家庭には、何らかの支給する場合もあるが、これはすべての里親家庭を対象とする制度的な措置ではない。もちろん、食糧配給その他の通常の援助は引き続き里親家族を通じて子どもに提供される。ただし子どもは、里親家族とは別の登録・配給書類を持ち続ける。里親による養育は、コミュニティ内の援助活動を通じて厳密にモニタリングされる。