環境
コミュニティ・サービスは、緊急事態の際、木々や植物を守る必要性など、環境保護のメッセージを伝える(第12章を参照)。また、簡単だが大切なエネルギー節約の方法――調理中は鍋にフタをしたり、たきぎを燃やす前に乾燥させ削ったり割ったり、豆や穀物は調理時間を短くするために水に浸すなど――も広める。さらに、林業や家庭でのエネルギー利用などの分野の環境専門家と密接に協力して、地元住民や難民コミュニティの懸念や優先事項に配慮する。コミュニティの参加がなければ、環境計画は目的を達成できない場合もある。
ロジスティクス(輸送・供給)
コミュニティ・サービスは、ロジスティクス担当官(logistics officers)とも協力して、弱者集団や危険な状態に置かれた集団が、すべての物資を平等に入手できるようにする。
◆家族の追跡調査と再会
◆ 離別した家族の追跡調査と再会は、できるだけ速やかに実施しなければならない。
◆ 難民が郵便物のやり取りをできるようにしなければならない。
24. 避難中に、あるいは庇護国で生き別れになった家族を再会させる手続きは、当局の同意のもと実行可能になり次第開始する。追跡計画は、庇護国や難民の出身国、地域の各レベルで策定し調整する。キャンプや現地レベルで実施できる容易で有効な追跡方法としては、様々な場所での、コミュニティ掲示板への写真付きリストのはり出し、ラジオの利用、メガホンを使った呼びかけなどがある。追跡調査の活動が広く知られるようにし、各難民所在地に連絡窓口を設ける必要があるだろう。追跡調査には細心の注意を払い、十分な経験と技能をもつ者が準備しなければいけない。実施にあたっては、適切な経験のある組織が必要かもしれない。追跡調査には難民自身の参加が必要となり、大きな役割を果たす。地元住民と地方当局も重要な役割を果たしうる。情報の秘密保持と個人の保護も不可欠である。
25. 追跡調査システムを確立する際は、離別の原因に配慮する。大規模な人口移動が原因の場合もあるが、子どもが家族から離れることを選んだり、生き伸びるために家族と離れた場所に行かされたなど様々な原因がありうる。家族への通知や適当な書類手続きがないまま、外部者(しばしば援助職員)が、危険な状態から子どもを引き離した可能性も考えられる。
26. 以下の措置をとる必要がある。
□ 生き別れになった家族の追跡調査と再会の準備をできる限り早く整える。その際、保護者のいない未成年者と、極めて弱い立場にある人々を最優先する。
□ さまざまな方法を組み合わせる。現場での追跡調査、コミュニティ組織の利用、地域レベルでの正式な追跡調査など。
□ 赤十字国際委員会(ICRC)など専門知識・技術のある機関と活動を調整する。ICRCは、各国の赤十字や赤新月社を通じて対応するので手続きに時間がかかるかもしれないが、難しい事例には最も適しているかもしれない。
□ 同一地域内での登録システムを統一する。
□ 郵便制度など、コミュニティ内での通信網を確立する。情報の適切なやり取り(赤十字による通信など)によって、追跡調査の負担が大幅に軽減され、家族の早期再会が促進される。難民には、郵便物のやり取りをする権利がある。