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13. 以下を実施して難民すべて、特に最弱者層がサービスを得られるようにする。

i. すべての難民を、適切な保健・栄養サービスへ向かわせる。

ii. 行方不明の子どもの追跡調査を至急に組織し、こうした子どもと弱者層の登録体制を整え、援助が必要だが身寄りのない者全員を支援する。

iii. 虐待または暴行の被害者の問題に対応する。

 

14. 長期にわたる依存を極力抑え、難民全体にとって適切なサービスを提供するために、コミュニティ・サービスは、すべての分野での難民の参加を促し、難民コミュニティの問題解決能力を高めなければならない。コミュニティ・サービスの活動では、地元社会の人的・物的資源を尊重し、衛生と環境問題に対しての難民の意識を高め、参加を促す。

 

コミュニティ・サービスの強化

15. いったんコミュニティ・サービス計画を確立したら、以下の方法によってサービスを強化していく。1)実施協力機関の対応力強化、2)コミュニティ内の奉仕活動と訓練活動の調整、3)情報網の構築、4)コミュニティ・ワーカーに対する訓練計画の実施、5)教育計画の設置と追跡調査・特別計画の運営、などである。一般的なコミュニティ活動、例えば文化的な催しやレクリエーションは、普通の生活が営まれているという感覚と安心感を高め、ストレスを抑え、難民のコミュニティ意識を養う点で重要である。

 

◆人材資源

 

◆ 難民自身が中心的役割を果たす。

◆ 人員の継続性が非常に重要。

◆ プロフェッショナルで公平な運営と信頼性の維持。

◆ 他分野とのチームワークが不可欠。

 

はじめに

16. コミュニティ・ワーカーとして訓練を受けた難民が、コミュニティ・サービス計画の中心となる。外部者は、言葉の壁によって、また社会的価値観・慣習に対する知識の欠如によりできることが著しく制限される。難民コミュニティ・ワーカーは、コミュニティ内で、必要に応じて適切なサービスを紹介し、集団と個人を支援することに責任を持つ。伝統医療の治療師が、精神的な問題の解決に優れた力をみせる文化もある。

 

17. 難民コミュニティ・ワーカーの訓練は、優先事項のひとつである。訓練では、難民コミュニティに関する難民自身の知識を活用し、外部の(可能なら庇護国内の)専門技術・知識を利用する。また、訓練では社会福祉とコミュニティの発展を扱い、公衆保健、栄養、衛生、保護、水、避難所といった分野からの要素も加える。

 

18. 難民コミュニティ・ワーカーは、難民集団の中の様々なグループから選び出し、特に十分な数の女性を含めるよう努める。ワーカーの社会的・民族的出身について配慮し、適切なバランスを取る。

 

19. ワーカーの必要人数は、コミュニティ自体の持つ対応の仕組みや、難民キャンプ間の距離、人口、状況の複雑さによって大きく変わる。通常は難民1000人あたりワーカーひとりが適切とされている。また、特別なニーズをもつ人々は、問題が医療上のものでなくても保健センター(health centers)に向かうよう指示されることあるため、保健センターにもコミュニティ・ワーカーを置く必要がある。

 

 

 

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