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こうした事件がUNHCRのフィールド職員がいる場所で起きた場合は、フィールド職員との綿密な調整が欠かせない。問い合わせはジュネーブの本部に寄せられることが多いので、必ず本部にも声明の内容を送る。

 

19. 事実誤認については、一般に、新聞の編集者は紙面に訂正記事を載せるほか、UNHCRの役割と方針に関する誤解についてUNHCRが意見を表明するスペースを紙面の意見欄などで割いてくれることも多い。一方、テレビやラジオでなされた事実誤認を訂正するのは難しい。ただし訂正させようとする際も、解釈ではなく事実を対象とする。

UNHCRは、公の場での対決的な論争を避けるよう心掛ける。

 

地元メディア(locally-based media)

20. 国内メディアは、難民に対する地元住民の態度を決める上で非常に重要であり、微妙な問題や政府の政策を早い時期に示唆する場合もある。政府は、外国での報道と同じくらい、国内報道に気をつかうだろう。地元の外国語新聞はそれほど重要ではないかもしれないが、外交関係者や外国記者団に影響を与えるため間接的な重要性をもつ。

 

21. 現地事務所は、世論への影響に関して新聞よりもさらに大きい役割を担いうるラジオとテレビを含めた地元メディアをモニタリングする必要がある。緊急事態を取材する地元記者と、良好な関係を築く。ただし、インタビューが報じられる経験を積むまでは、非常に慎重であること。特に電話でのインタビューでは言葉の壁が誤解を生む場合が多い。この点、地元採用の広報アシスタントが非常に役に立つ。

 

22. 主要国営(と地元の外国語)ラジオ局とテレビ局、新聞社の報道担当編集者と早期に連絡をとり、UNHCRの役割を説明するのも有益となる。緊急事態のニーズが最優先されていることを強調し、追加情報が必要な場合の連絡先を知らせる。

 

政府との情報共有

23. 政府が難民報道に敏感な場合もあるので、政府の広報担当局や情報局と早期に連絡をとる。一般的な声明やプレスリリースは、政府の情報局、難民問題担当局、そしてUNHCRの担当部局に知らせる。政府とUNHCRの共同事業に関する声明は、まず政府の承認を受ける。

 

現地と本部との情報共有

24. 定期的かつ迅速な情報交換は必要不可欠だ。事業に関する問い合わせの多くは、ジュネーブのUNHCR本部とニューヨークの国連本部へ直接なされる。ジュネーブでは、毎週火曜日と金曜日の朝に国連の報道関係者向けのブリーフィングがあり、UNHCRも参加している。ニューヨークでは、平日の正午に事務総長の報道官が報道関係者向けのブリーフィングを行なっている。UNHCRはこれらの広報活動に加え、必要に応じて臨時記者会見を行なう。

 

25. 本部広報部には最新情報が集まっていなくてはならない。したがって現地事務所は

 

□ 本部に報告する際は、常にメディアの関心に留意する。

□ 特にメディアが関心をもちそうな事柄について情報を提供する。

□ 地元メディアによる報道の様子をまとめ、本部に送る。

 

26. 現地事務所が主要外国紙や主要外国テレビ局のインタビューを受けた場合、あるいは外国特派員が攻撃的だったり回答に不満な様子を見せた場合は、本部広報部に知らせておく。

 

 

 

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