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30. 調達手続きは、UNHCRマニュアル第4章に述べられているほか、付表2に記載した。第18章も参照のこと。

 

現物寄付

31. 緊急事態計画上で予測されるニーズに対し、現物寄付が行なわれることもある。直接あるいはUNHCR経由のいずれで寄付がなされる場合も、その現物の価額(一般に、予算の見積もりと同じ基準で評価される)は、通常、その現物が適合する予算項目への収入として扱われる。従ってその価額は、UNHCRのドナーに対する資金要請額から差し引きかれる。この仕組みは、政府と実施協力機関に念入りに説明をする必要があるだろう。UNHCR経由でなされるすべての現物寄付については、本部はその価額に応じて別途プロジェクトまたは「現物用LOI」を作成する。LOIの名宛て人は、寄付物が到着し配給されたら、現地から本部へ報告書を提出しなければならない。現地が受け取る現物寄付については第9章53節で解説している。

 

◆モニタリング、報告、評価

 

32. UNHCR現地事務所と事業協力機関によるUNHCR資金の管理とモニタリング、および評価は規定のUNHCR手続きとELOIやLOIの該当条項に基づき実施される。支払い限度額と支出レベルの厳しいモニタリングを含め、プロジェクトの適正な管理は、過剰支出のおそれや、未使用資金を遅滞なく再配分する必要性から、緊急事態ではとりわけ重要となる。

 

33. 活動と成果には慎重かつ綿密なモニタリングが必要不可欠だ。実施取り決めがどのようなものであれ、難民所在地ではUNHCRのプレゼンスか、少なくとも同一人物による頻繁な訪問が必要である。

 

34. モニタリングとは、援助の投入、活動、結果を予算や作業日程などを計画通りに進めるため実施中の事業やプロジェクトを継続的に見直すことである。モニタリングでは、目的に向けた進展状況を調べ、それを管理者が分析・評価し、より適切に目的達成をめざして改良または是正の措置を取れるようにする。この作業は「我々は物事を正しく進めているか」という問いに集約される。

 

35 プロジェクト自体も、その目標を分析し――目標は妥当なもので達成が可能か――評価する必要がある。これは、「我々の進めている物事、進めてきた物事は正しいか」という問いに集約される。

変わりゆくニーズに対応し、欠点を補い、事業を調整するため、意思決定者にとって十分な情報が入手可能でなければならない。

 

36. モニタリングと評価は難民の保護や援助を手薄にする時間のかかる作業だ、と見なしてはならない。これらの作業は、急変する状況のなかで実施中の活動の妥当性を維持し、最も緊急の問題に対処し続けるための、重要な手順と考える。難民女性と子どもの状況は特に重視する。女性・子どもの状況は、事業全体の有効性をモニタリングする指標として利用でき、また利用すべきである。

 

37. 報告書に重要な情報が含まれ不要な詳細が省かれるよう、標準書式を用いるか、あるいは標準的な事項を盛り込む。常に報告の目的と読み手に留意し簡潔に、かつ要点を絞ること。活用されない情報のやり取りにエネルギーを浪費しないこと。読まれず、それに基づいて行動が取られない報告書は、紙と時間の無駄である。

 

 

 

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