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11. 対応計画は常に見直していないと、すぐに現状に合わなくなり、見せかけの安心を生む。立案内容を定期的に見直して更新すれば、適正かつ的確な準備対策を維持できる。

 

12. 対応計画の立案過程そのものが、緊急事態の対応に大きく役立つ場合も多い。実施協力機関とその対応力・資源を確認し、協力関係を築き、問題点や優先事項、任務について共通の認識ができるからである。

緊急事態への対応能力は、活動参加者が対応計画の立案にかかわることで高められる。

 

13. 対応計画と事業計画の立案では、いずれも戦略的目標と分野別目標が設定され、これを達成するための行動計画が策定される。ただし、不測事態対応計画の立案は、仮定と予想に基づくのに対し、事業計画の立案は、開始時期がはっきりしており、ニーズと資源の把握に基づく点が大きな違いである。

 

図1 不測事態対応と緊急事態事業の計画上の相違点

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会議

14. 対応計画の策定は、協同作業で行ない、地元の力をできるだけ広く取り込み、地元の力では足りない部分を外部の応援で補完することで、多くの失敗を回避できる。

対応計画の最も良い立案方法は、すべての関係当事者が、一定期間中、同じの目標のもと協調・協力しながら立案することである。

通常、一回限りの会議では不十分で、計画案も不適切なことが多い。したがって、対応計画は、定期的な会議やその会議に付随する行動を通じて立案される。

 

15. 対応計画の立案には、政府、諸機関、拠出国や地元組織の代表者、専門家など、緊急事態対応にかかわると思われる人々が参加すべきである。関係者すべてが参加する重要性を強調するために「円卓会議」とも呼ばれる。機関によって見解が食い違う場合もあるが、かえってあらゆる事態を想定し、計画をよりよくするための有効な討論の場となり、立案に役立つことが多い。こうして最終案はより現実に則した内容となる。UNHCRが円卓会議の推進役になる場合もあるが、各参加者の役割と重要性を尊重しなければならない。

 

16. 対応計画の立案会議は、以下を含む計画案を作成する。

i. シナリオ(事態の展開予測)の特定

ii. 計画全体の目標

iii. 分野別の目標と活動

 

その後の会議では、早期警戒の指標を見直し、前回の会議以降に取った措置を報告し、現行の計画を更新する。

 

 

 

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