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計画立案

15. 計画立案の定義

状況を把握し、短期的および長期的目標を定めるとともに、目標を達成するための活動を定めること。

 

16. 計画立案は、緊急事態の発生前も進行中も重要であり、資源、および何が必要とされているかの詳細な把握に基づく必要がある。

 

組織化と調整

17. 組織化と調整の定義

所期の目的を達成するために制度や仕組みを確立し、人と組織の調整をはかり、共通の目的に向けて、理にかなった方法で協力できるようにする。

 

18. 人員の選出、訓練、監督のほか、関係者全員の役割と任務の明確化、整理された伝達・情報の流れが含まれる。緊急事態では、調整が組織運営の決定的な要素となる。

 

権限と責任の委任

19. 緊急事態における管理・運営は、権限と責任ができるだけ現場に委ねられるよう組織し、事業の現場や受益者のできるだけ近くで実施する。職員全員が知っている明確な命令系統を確立する。

 

20. 管理・運営上の決定など、活動のアカウンタビリティー(説明責任)が明確になるよう管理・運営体制を設計する。決定を下す者には、そのための適切な知識があり、実行とその結果に付随する問題(モニタリングを含む)に対しての責任も負う。不必要な管理職層や必要以上の数の職員が決定と実施責任にかかわると、説明責任が混乱したり散漫になってしまう。任務の定義があいまいで明快さを欠く場合も行動は遅れる。

 

監督

21. 定義

実施状況を、計画と照らし合わせてモニタリング・評価し、必要に応じて変更を加えること。

 

22. 主な管理・運営任務は、程度の差こそあれ、緊急事態対応時だけでなく準備段階でも重要である。組織と調整の仕組みは不測事態対応計画の立案段階で考える。

 

◆難民緊急事態事業の各段階

 

23. 以下の表は、難民緊急事態で取りうる活動モデルのひとつである。難民緊急事態事業の各段階と活動は、重複したり同時発生しうることを理解しておく。

 

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24. 緊急事態事業の最終段階は、緊急事態の対応から長期的な支援(生活援護)と恒久的解決策(自主帰還、庇護国定住、再定住)への移行である。緊急救援活動に費やす時間は最小限にとどめる。計画の立案・実施は常に長期的視野に立って行なう。短期的活動と長期的活動のバランスが、多くの主要分野で重要となる。

 

 

 

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