(1) 基図データと個別業務データ
各業務ごとに必要な地図データをみると、共通の基図データ部分と個別の業務で必要な地図データ部分から構成されることになる。共通部分のデータ整備は共同で管理していくことが一般的であるが、個別データ部分の整備・管理についてはそのデータの必要な部署が責任をもつ事になる。各業務からみた基図データと個別データの切り分けについては、以下のような点に留意する必要がある。
・基図として何が必要で、個別で管理すればよいものは何か
・基図の縮尺をどう統一するか
縮尺を大きい方に揃えると必要な精度は保てるが、整備にはコストがかかる。また、市街地とそれ以外で別の縮尺で管理するなど、地域に応じて異なる縮尺を設定することも考えられる。さらに、GIS業務の展開に応じて、縮尺を徐々に大きくするなど段階的に大縮尺を適用していく方法も考えられる。
(2) 基図とする地図の選択・作成
基図データを構築する場合、その構成要素(レイヤー)となる地図を組み合わせて作る必要があるが、これにも、既存の地図を利用する場合と、新たに作成する場合がある。
既存の地図から選択する場合、たとえば地籍図を基図とする事例は多く見られるが、その外にも、地番図、都市計画図、道路台帳図などがある。それらの地図を基図とした場合はそれぞれに長短があるため、基図データと個別データをどう切り分けるかについては、十分な検討が必要となる。