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3-3-1 GIS導入の効果と行政業務分野

 

GISの導入で見込める主な効果は、行政業務の効率性の向上、視覚化による分析力の向上と意思決定の迅速化などである。そして、日常業務の中でGISがもたらすこの導入効果をうまく定着させていくために、まず事務作業の効率化に寄与しやすい業務から導入し、つづいて分析機能をさらに活用できる業務に導入、相互利用できるデータを増やしつつ全庁的に利用するという方向で拡張していく進め方が合理的であろう。

図表3-10は、縦の軸でGISを導入することによる業務の効率性向上の度合いを示し、横の軸でGISを導入することによる視覚的な分析・表現力の向上の度合いを示したものである。それぞれの軸の高低からI、II、III、IVの四つに領域化したものであるが、行政業務をこの座標平面上のどこかに属するものとして、GISの活用領域をみる。

 

図表3-10 GIS活用領域

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このうち、領域IVは効率性の向上、分析・表現力の向上ともに多くを望めない業務分野であり、ここではGIS導入に向かない分野と位置づけることができる。これに対して領域IIはGISの機能をフルに活かすことのできる業務分野である。領域Iは効率性の向上の割合が高く期待できる業務であり、領域IIIは効率性を度外視しても、GISを導入することによりはじめて可能となる様々な分析業務など、分析・意思決定のために効果を主に期待できる業務領域である。

自治体でGISが多く導入されている業務分野をこのマトリクス上で示すと図表3-11のようになる。特に市町村で導入が進んでいる業務の多くは、領域Iに位置づけられる。

 

 

 

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