3-2 効果的な活用の方策
GISを導入し、より効果的に活用するためには、GISの導入に適した業務の特徴をとらえておく必要がある。ここでは、GISの導入に適した業務の特徴として、導入の効果が明確に現れやすい業務と、視覚的な表示による分析が効果的な業務の2つに着目し、検討する。
3-2-1 GIS導入効果の考え方
GIS導入を計画する際に分析すべき重要な調査項目として費用対効果分析があるが、これが困難な作業となる。もともと行政サービスに対する市場価格や利益などといった概念は存在しないことから、効果を測定する際には、システムの導入によってもたらされる、定量化できる効果と定量化できない効果について分析することになる。しかしながら本来、GISの効果は定量化しにくいものが多く、複数部署にわたるGIS利用の局面においては、計測しきれない潜在的な効果が含まれることが多い。