日本財団 図書館


これが都道府県レベルになると、「関心がない」「地理情報システムを知らない」という回答はなく、すでに行政業務におけるGISの利用について何らかの認識を持っていることが分かる(図表3-2)。

市町村において、既に利用済み及びシステム構築中の自治体が23%であるのに対し、GISの導入について関心はあるものの、未検討としている自治体は5%と2倍以上であり、きわめて多い。これは昨今報告されている事例の中で、GISが行政業務の効率化・迅速化に効果的なツールであると紹介され、関心が高まっている一方で、現実的には導入の検討にすら至らない自治体の事情を反映していると思われる。

 

図表3-2 都道府県のGIS導入状況

060-1.gif

出典:国土庁ホームページ(http://www.nla.go.jp/keisei/gis/9708/970818t1.html)より作成

 

(2) 地図作成業務の現状

ほとんどの行政業務は該当地域の情報を扱うために、地図上の位置と多くの業務が結びつけられて利用されている。前出のアンケート結果によると、紙ベースの地図を作成する業務について、市町村で地図を作成していない自治体は172団体(5.4%)であり、このほかの9割の自治体は既存の地図を業務用に編集したり、自団体で測量・作成するなどして、業務の中で地図を作成する機会があることがわかる。このことから、ほとんどの自治体は少なくとも地図作成、測量作業においてGIS導入を検討するインセンティブを持っていると考えることが出来る。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION