日本財団 図書館


2-2-2 その他の民間企業

 

その他の企業でも、GISはマーケティング及び営業支援のツールとして活用されている。最近の動向として、位置確認やモバイルGISの導入が注目されている。

 

(1) エリアマーケティング

民間企業でGISが導入されている業務といえば、このエリアマーケティング業務が最も一般的である。様々なマーケティングデータを組み合わせて、GIS上で視覚的に表示させ、地域特性を分析・把握することで、顧客の嗜好と購買行動が判断し、これに見合った販売計画を立てることで売上の増大を図っている。

 

1] 商圏把握

ファストフード店で新規出店計画の支援ツールにGISを用いているところでは、エリア内の地図の上に、地域人口データ、年齢別構成比といった統計データ、小売店販売額など既存店舗の情報を重ね、整理、分析し、最適な店舗配置の決定に役立てている。

 

2] 顧客管理

また、店舗と顧客の位置関係のデータと、顧客に対するアンケートの集計結果を分析し、商圏の推定を行うことも出来る。これはGISが地理情報の活用のみならず、自社に蓄積されてきた膨大な市場調査データも有効に活用することを意味するものである。

さらに、近年では顧客の移動手段である交通機関のデータを利用して、平均移動速度を設定した精密な商圏把握モデルも構築され、販売計画に役立っている。このように多角的な分析が可能であることや、分析結果を資料化するのに効果的であることから、意思決定の迅速化を図ることが出来る。

 

(2) 位置確認システム

GPS(汎地球測位システム)は、人工衛星からの電波を受信し受信位置を測定するものであり、カーナビゲーションシステムに応用されている。GPSとGISを連動させることにより業務効率が飛躍的に向上させることも可能である。例えば物流業界では従来、配車の最適化、集配業務の効率化のためにGISを導入し、最適なルートを選定したり、車両到着時間の自動計算を行ってきたが、車両にGPSを搭載し、本部のGISと連動させ、さらに効率的な配車を行うことが可能になる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION