出典:国土庁ホームページ(http://www.nla.go.jp/keisei/gis/9708/970818t1.html)
(2) 導入事例
1] 森林GIS
森林の管理には、森林資源の保全と地域環境評価の二つの側面がある。そのため森林の現況を調査し、多角的にこれを分析、評価する必要が出てくるが、近年ではその情報項目が増加している。特に環境評価の側面においては、森林簿に記載されている樹種、林種、林齢、面積といった、森林についての情報のみならず、景観、気象、野生生物の生息状況といった情報も必要となる。さらにこれをふまえて植生変化、気候変動、病害虫被害などの状況の時間的な変化を監視し、森林破壊につながる兆候を早く見つけ対策を立てることも重要である。
こういった森林についての多様な情報を管理、分析するのにGISは効果的である。まず、データの検索が迅速になる。森林簿と経営図が相互に関連付けられているため、表示された経営図上の区画から、これに対応する森林簿記載情報を検索表示させたり、逆に森林簿から経営図の該当区画を検索表示させることが出来る。次に、森林情報の分析による森林の機能評価が容易になる。地形や、気象条件、都市との位置関係も含め、森林の環境条件を総合的に把握することが出来る。地形、地質、野生動物の生息分布等のデータを重ねあわせて総合的に分析することが可能になるので、森林の生態系が把握しやすくなる。