4] 都市計画業務
都市計画業務は、前出のアンケートの結果でも374団体(11.7%)がGISを導入しているか、導入を検討している業務である。利用形態は多岐にわたるが多くの事例では、都市計画図の作成、住民からの問い合わせの対応、都市計画基礎調査の分析支援に利用されている。
まず、都市計画図の作成業務において、都市計画案のビジュアルイメージを住民に示すことが出来るようになる。また、都市の課題や地域住民への影響を統計データから算出し、レベルごとに色分けして表示させることも出来る。これは人口統計のデータを利用して、人口の分布や増減を地図上に表示することに応用される。膨大な量の統計データも地図と組み合わせることにより都市の状況を空間的に把握することが可能になるのである。
次に、都市計画全般についての住民からの問い合わせの対応についてであるが、周辺地図を迅速に参照し、電話による情報だけでは把握しづらい内容にも職員は具体的なイメージを持って応対でき、結果的には窓口業務の効率化に結びついたとの報告がある。
また、5年に一回行われる都市計画基礎調査で収集される膨大な情報にも、作業の効率化のためにGISが利用されている。面積の計算、用途別の色分け作業など人手では非常に手間のかかる作業について、GISを利用し簡単に行われている。
さらに、このとき収集した土地利用のデータを、GISで数年分重ねることによって土地利用用途の転換の過程を知り、地域特性の把握にも役立てることにも利用されている。