例えば、前述の固定資産管理を例にとると、土地家屋現況図や公図、家屋図、地番図等を、電子地図(地図データ)として入力し、それらを重ねあわせて表示させ、さらに土地課税台帳や家屋課税台帳等に掲載されている情報(属性データ)を地図に関連付けて表示させ資産税評価業務を行えば、業務を効率的に処理でき、定期的な地図作成・更新のコスト削減にもつながる。
都道府県の90%では、何らかの業務で既にGISを導入済みまたは導入検討中であり、かなり普及しているといえる。これに対し市町村レベルでは、導入済みのところはまだ35%程度に過ぎないものの、一方でGISに対して高い関心が寄せられているという調査報告がなされており、特に市町村レベルにおけるGISの今後の普及が大きく見込まれている。
1-2 GlSとは
1-2-1 GISの概要
(1) デジタル地図とGIS
GISとは、地理的位置や空間に関する情報と自然、社会、経済等の属性データを統合して取り扱うことの出来るコンピュータシステムである。このシステムは、コンピュータの画面上に地図を表示し、特定の地域を選択し、その地域に関する関連情報を表示するものであり、デジタル地図と属性データの二要素が関連付けられたものがベースとなっている。