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10] 税

 

電子商取引等の発達により、経済取引が複雑化・国際化し、誰が、いつ、どこで、どのような取引を、どれだけ行ったか、といった取引の実態を正確に捉えることが今後更に困難になっていくと考えられ、それに伴って、適正な課税のあり方を検討していく必要がある。

電子商取引等への課税は、公平、中立、簡素であるとともに、電子商取引等が国際的規模で行われることから、国際的に見て二重課税や課税漏れがないよう、国際的整合性を確保することも重要である。こうした観点から、OECDにおける課税の基本的枠組に関する報告を踏まえた更なる検討等に向けて我が国としても努力していくべきである。

 

11] 関税

 

我が国においては、電子的に伝送されるコンテンツには関税がかかっていない。電子商取引における関税の取扱いについては、本年5月のWTO第2回閣僚会議において、来年の第3回閣僚会議までに包括的な検討を行うとともに、それまでの間、電子送信に関税を賦課していない現状を維持する内容の閣僚宣旨が採択され、これを受けて9月に作業計画が策定されたところであるが、今後も引き続き、国際的な電子商取引等を促進する観点から、WTOの場等における具体的な議論に積極的に参加するべきである。その際には、WTO協定との関係を十分整理する必要がある。また例えば、各国の実務において、ソフトウェアがCD等の媒体に記録されて輸入される場合とインターネットを通じて伝送される場合とで、課税の取扱いについての整合性をどう考えるかといった点を含め、関税にかかる法的・実務的観点からの検討を早急に行う必要がある。

 

(2) 公共分野の情報化

 

[基本的な考え方]

 

公共分野の情報化は、政府自身の情報化による行政サービスのコスト低減や国民の利便性の向上に資するものであり、社会経済全体の情報化を進める上でも重要な役割を担っている。また、政府自らがユーザとして先進的アプリケーションの導入を行うとともに、行政、教育、交通等公共サービスの基礎となる情報通信システムの関係省庁一体となった効率的な研究開発を行い、国民誰もが充実した公共サービスを享受できるようにすることが必要である。さらに今後、公共分野の情報化をより一層効果的なものとするためには、各省庁、地方公共団体等が連携して総合的・計画的に取組むことが必要である。

 

 

 

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