v) 全国規模での社会構造の変化
高度情報通信社会の実現により、物理的に移動することを必要とされる局面の減少、人口集積や規模の経済の優位性の低減等がもたらされ、東京圏をはじめとする大都市において過度に集積してきた人口、諸機能の地方への拡散、地域の自立的な発展が期待される。
vi) 国際化の一層の進展
ネットワークを通じ、最適な条件を求めたボーダーレスの取引等が瞬時に行われることとなり、従来の社会・経済構造が大きく変貌を遂げ、また、様々な局面における国際的な関係が進展し、国際化の動きが加速化される。
4] 高度情報通信社会推進の一層の加速化の必要性
i) 経済構造改革等の強力な推進
「デジタル革命」によるパラダイム・シフトが起きようとしている今日、「情報の創造・流通」が経済活動において重要であるという新しい価値観に基づき、我が国の経済構造や産業構造の改革を一刻も早く強力に推進することが必要である。情報通信の高度化を通じて産業・生活の効率化や活性化を図っていくことこそが、硬直的な産業構造の変革に当たっての重要な点であり、国を挙げて取組むべき課題である。仮にこれを怠るようなことがあれば、情報化により効率的な経済構造・産業構造への転換の進む米国をはじめとする諸外国に遅れをとり、新しい価値観の支配する21世紀において、中長期的な国際競争力の低下を招くことは必至である。
ii)国際的なリーダーシップの発揮
新しい価値観に基づく国際経済社会において中核を占めることになる電子商取引等の国際的なルール作りについて、米国と欧州が昨年基本政策を発表し、本年5月には日米政府間で電子商取引共同声明を発表し、さらには日本、米国、欧州の三極内での二国間協議やOECD、WTO、APEC等の多国(地域)間協議の場で活発な議論が行われる等、電子商取引等をめぐる国際的議論は急速に深化しつつある。我が国もこのような新時代のルール設定を積極的にリードしていかなければ、たちまち新ルールの下での落伍者となり、国際経済社会における従前のプレゼンスを失うことになりかねない。