2] 民間サービス
ICカードで民間サービスを対象とする場合、現在最も期待されているのがいわゆる電子マネーとしての利用であろう。電子マネーの形態は様々なものが提唱され、実験され、一部実施に入っているが、いずれの場合も最終的な決済をどうするかという問題に帰着する。現在、地域を限定したICカードによる決済が実験的に行われているが、このサービス範囲を拡大していった場合、世界的な規模で実現、普及しているクレジット・カードとの差別化が課題となろう。クレジット・カードとのすみわけでICカードを特定小地域の小規模決済に限定するのではICカードの意義が薄れてしまうおそれもある。
3] 対象業務
民間の利用で対象となっている主なサービスは電子マネー的なもの、本人確認等のセキュリティ的な利用、医療等の情報蓄積との3つに分けられる。電子マネー的な利用は決済方法によって、プリペードによる小額、クレジットカードとの連携等、いくつかの形態がある。特定地域の商業発展を目指すためのものが多いことから、電子マネー的な使用とポイントのカウントを結合している場合が多い。
セキュリティ的な利用形態として、会社における入退室チェック等のセキュリティがある。企業や大学キャンパス内における利用では、上記のセキュリティと購買、各種支払い等の複数目的に使用する例もみられる。
情報蓄積の代表的な利用として医療情報の蓄積があり、ICカードの容量の大きさを活用したものである。医療情報の蓄積の場合、利用地域は市町村等の特定の地域内であるが民間病院に限定されず公的な病院を含めるのが普通である。