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国民からの反対はいわゆる国民背番号制反対というもので、番号で管理されることへの情緒的な反対はともかく、ユニークな番号によって国家による国民の統制管理の強化につながるという不安、反対は歴史的な背景があるだけに容易ではない。最終的には、国民側のコンセンサスが得られるか、そうでなければ日本人は日本国内において自分を主張する手段をもたないこと、またそのことによる不便さ、ネットワーク活用のサービス享受等は求めないという二者択一の問題になるのである。この問題は、個人情報保護方策との関連で後述する。

 

(3) 多目的の意味

 

ICカードの磁気ストライブカードとの比較における特徴は、ICチップによる暗号化、セキュリティの強化と、情報蓄積量の大きさであろう。これらのことから、1枚のICカードで複数のアプリケーションに利用することが可能になる。しかしながら、現時点において一般に普及しているICカードの大半は個別アプリケーション毎に発行されたものであり、磁気ストライブにないICカードの特長を完全に活用しきれていない場合がほとんどである(図6-1参照)。

 

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図6-1 単一目的ICカード

 

これに対して、多目的ICカードは1枚のICカードで複数のアプリケーションに利用するものである。この多目的ICカードをここでは次の3つに分けて考えてみよう。

 

 

 

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