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図表4-7:フランス医療カードシステム「セサムヴィタール」

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出典:ICカード総覧'97〜'98

 

当システムの実用化により、多くのメリットが期待できる。

1] 申請に必要だった書類が年間80億枚分のペーパーレスを実現

2] 医療事務の現場から年間20億枚の紙を節減

3] 支払手続に要する時間が数週間から数日に短縮

4] 医療費保障請求の電子化で1請求あたりのコストが5ドルから50セント以下に削減

5] 社会保険コストの削減

6] 患者への各種サービス提供

 

医療従事者用のCPSカードについては、1997年後半から15万枚配布しており、120万人といわれるフランス全体の医療従事者の10%強に試験的に実用化した。1998年以降はこの結果をふまえて徐々に全体へ普及させるという計画のもとで動いている。一方患者用のヴィタールカードは、まず医療費請求用の事務的データのみを対象としたカードとして1997年末から1998年初めに一部地域に1,000枚配布して試験的に実用化した。今後は、本格的なヴィタールカード(事務データと個人医療データを管理)を2000年までにフランス全市民に配布して実用化する方向で進められる。当システムが完全に実施されれば医療従事者用カード120万枚、患者用カード6千万枚が導入され、そのために25万ヶ所にターミナルが設置され、15億以上の取引(電子決済)がネットワーク上で行われることになる。

 

 

 

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