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1] カード利用者

 

(a) 現金の持ち歩きが不要で便利

(b) 身分証明書が不要

(c) 支払時に暗証番号が不要(カードを紛失したら他人に使われる可能性があるが、再充填には暗証番号が必要なためカードに移行済みの金銭価値のみの被害で済む)

(d) 釣り銭扱いの煩わしさがない

(e) 利用履歴が保持されて確認が可能

 

2] 店舗

 

(a) 支払作業の合理化

(b) 現金を扱うことが減り盗難防止になる

(c) 銀行への入金手続き等が省ける

(d) 支払済カードであるためセキュリティが確保される

(e) 売上金の口座への振り込みが短時間で可能

 

3] 銀行

 

(a) キャッシュレス分野が拡大して現金を扱う作業負荷が軽減される

(b) 金銭価値の充填で手数料収入がある

(c) 付加価値をつけるなどのサービス拡大が容易

 

1997年末にはゲルトカルテが4,000万枚発行されていることになっており、翌1998年末までには6,500万枚発行の予定である。着実に拡大していく方向にあるが、まだ発行枚数に対して利用率が低い。今後は本格的なプロモーションによる利便性の認知、店舗側のシステム導入コストの低減化などが当システム普及/定着への鍵となる。

 

4-5 医療

 

(1) 欧米の動向

 

1] ヨーロッパ

ヨーロッパでは数多くの医療カードプロジェクトが動いているが、もはや国家単独のシステムではなくEU全体のシステムであるカードプロジェクトとしてICカード化が進められている。従って、国境を越えたネットワークの構築や標準/基準の設定、そしてこれらに必要なセキュリティとアクセス権の管理などが不可欠となっている。

1994年からカードリング(CARDLINK)プロジェクトがヨーロッパで展開されており、医療カードの共同利用を目指している。参加地域はフランスのサン・ナザレ、ギリシャのアテネ、イタリアのローマなどをはじめとする10都市である。

 

 

 

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