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CBグループではこのデビットカードの実績をもとに再充填型のインターバンク向け電子財布を100フランを上限として導入する計画である。既に技術的なスペックは完成しており、現在は「電子マネーを補償するための」投資会社の設立を進めている。最終的には電子財布の試行計画を実施する体制環境づくりをして、運営会社を設立する予定である。この流れの中で、フランス国内では電子財布が数種類出現すると予想されている。

 

図表4-4:フランスのデビットカード不正使用率

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出典:ICカード総覧'97〜'98

 

(3) 銀行における電子財布システム(ドイツ)

 

ドイツではクレジットカード(発行枚数1,400万枚)が社会的信用のある高所得者層向けで高額商品を購入する時に利用するとされ、一方デビットカード(発行枚数6,400万枚)は低・中所得者が中程度の価格の商品を購入する時に利用するとされている。この中で、新しくゲルトカルテというICチップ搭載のカードが電子マネーとして、小額支払いやデビットカードでは利用しづらいニッチの部分を補完することを目的に1997年から全国規模で導入された。

発行母体はドイツ金融業界連合会中央信用委員会(ZKA)参加のドイツ国内の金融機関と郵便局であり、利用可能サービスには次のものがある。

1] システム加盟店での支払い(POS端末、ハンディ端末での利用)

2] 切手自動販売機

3] 駐車場料金徴収システム

4] ゲルトカルテ対応電話

 

 

 

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