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2] 学生

 

(a) 大学構内外での買い物がキャッシュレスでできる

(b) 処理が迅速で耐性やセキュリティも強化された(従来のカードと比べると)

 

3] 民間企業

 

(a) ビジネスチャンスが広がった

(b) 市街帯が最新鋭設備に衣替えした

 

なお、このICカードにはまだ拡張性があり、今後も波及効果はあると思われる。もっと多くの業者がこのシステムに参加して、市民全体にMcardが広がれば、いわゆるコミュニティー・カードとして活用できるようになる。

 

(2) 幼稚園・小学校でのICカード利用(フランス)

 

フランスのサン・ジロン市では1986年から幼稚園児・小学生向けにICカードが実用化された。給食費とスクールバス代の管理が主な目的である。

給食費は前払い方式で生徒が使い切ると父兄が市役所で必要額を支払ってその金額に見合った利用回数がICカードに書き込まれるという仕組みである。生徒は毎朝登校時に学校に設置されているリーダ/ライタ(情報読み書き装置)にICカードを挿入し、接続されている装置のディスプレイをみて希望の給食メニューを一人一人が選択できる。この情報はLAN経由で給食センターに送られ、午前10時には市内の当カードを利用する学校全校分の給食数をメニュー毎に把握することができる。

スクールバス利用では利用毎にICカードに情報が書き込まれ、後払い方式で父兄に月次請求書が送付されるという仕組みである。

なお、このICカードはIDカードとしての機能も併せ持っており、生徒の氏名、住所、父兄の自宅と勤務先の連絡先、健康カルテ情報、緊急時の入院許可の有無などが登録されている。

当カードは1998年時点で市内の公立学校8校で生徒約800人に利用されている。

 

4-3 運輸・交通

 

(1) バスカードシステム(韓国)

 

韓国では公共交通機関の利用促進の一環として、ICカードを実用化した「バスカードシステム」がある。当システムは、ソウル市内で大きな社会問題となっていた慢性的な交通渋滞の緩和とバスの料金徴収における非効率性(回数券、チケット、現金等何種類もの支払い方法の併存)を是正しようと韓国政府主導で導入された。

 

 

 

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