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* 既存カードシステムでのエンボス領域の確認

* 複合機能カードの機能モジュールの確認

* 複合機能カードのエンボス可能領域の確認

* 複合機能化カードの材質、使用可能な機器類の確認

 

一方、異なるタイプのICカードの複合化については、ICカードそのものが半導体の回路で構成されているだけに、原理的には結合領域(接点、結合コイル、アンテナ等)の干渉のない範囲で全ての組み合わせが可能である。しかし、接触型および非接触型ICカードの内、密着型と近接型については、カードの使用者がカードを使用する意志を示す何らかの動作を行うことによって、初めてカードの読み書きが行われる。しかし、近傍型については高速道路の自動料金引き落とし等、カードの保持者やカードが添付されているものを自動的に認識し、情報を読み取る利用方法であるだけにシステムの性格やカードに記録される情報自体も異なる。このため、異なるタイプのICカード間の複合化については、近傍型を除いた分野について、それぞれの特徴を生かしつつ、複合化を図っていく必要がある。

 

(2) 複合機能端末

 

複合機能端末は、利用する機能(磁気ストライブ、接触ICチップの別等)によってカードの挿入場所が異なる等カードの操作が変わると、利用者にとって非常に使いづらいものになる。しかし、同一操作で利用できるようにすると端末のサイズやコスト面での影響が大きい。このため、複合機能端末の導入については導入コストや、メンテナンスコスト等を十分勘案しつつシステム設計を行う必要がある。たとえば、端末がATMや情報提供端末のように顧客自身が操作する端末なのか、あるいはPOSなどのように従業員が操作する端末なのかなど、使用目的によって操作性を重視するか、あるいはサイズやコストを重視すべきなのかの評価を行う必要がある。

 

3-2-3 ICカード普及に関わる課題

 

市場において、今後ICカードを積極的に普及していくには、カード使用の標準化、非接触型ICカードにおける電波法や割り当て周波数などの制度上の問題、カード自体や周辺機器あるいはシステム開発等に関わるコストの問題、さらにシステム全体を考慮したインフラ整備の問題など解決すべき課題が山積している。

 

 

 

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