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一方、ICカードについては、基本的にカードそのものの物理的特性については磁気ストライブカードと同じであるが、ICカードは、たとえば紫外線やX線に対する耐性、機械的強度、耐静電気や磁気ストライブとICの電磁的相互干渉等について数値による詳細な規定がなされている。なお、ICカードカードには後述されるように、接触型と非接触型があり、これらについても細かく規定されている。図表3-1は、接触型ICカードと磁気ストライブカードを比較したものである。

 

図表3-1 接触型ICカードと磁気ストライブカードの比較表

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出典:ICカード利用ガイドライン(ECOM)

 

同表にもあるように、ICカードはこじ開けなど物理的アプローチによってメモリ内部の情報を取り出せないよう、ICチップに特殊加工を施してある。また、アプリケーションヘのアクセスには、暗号番号を必要としており、間違った暗号番号の入力が一定回数を越えた場合は、自動的にリジェクトする機能をカードに持たせている。ICカードの標準化については、別の章で詳述されているが、この分野でもデジュレ標準が強い影響力を持つ。たとえば、クレジットカード業界において、現在、全世界のクレジットカード取扱高の85%を占めるVISA/Masterの2大国際ブランドとEuropayの3社共同により、接触ICカード型クレジットカードの仕様であるEMVが策定され、これが一つの基準として流通しており、我が国でも、現在進行中のさまざまなプロジェクトにおいて採用されている。

 

 

 

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