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(2) 長野県駒ケ根市での多目的利用の「つれてってカード」

 

1] 導入の背景

 

駒ヶ根市の商店街では、昭和50年からスタンプ事業を実施してきたが、平成5年に郊外型大規模小売店舗の進出により売上額が一気に減少した。このため、商店街では、駒ヶ根市、赤穂信用金庫などの支援を受けて、商店街の活性化対策としてICカードを使用したつれてってカードシステムの開発に取りかかり、平成8年10月10日から運用を開始した。

つれてってカードシステムでは、プリペイドによる電子マネー機能とポイントサービス機能を実施している。つれてってカードの利用地域は、当初、市内に限定されていたが、平成10年7月18日から、駒ケ根市に隣接する飯島町の商店街まで拡大した。また、平成10年9月1日からは、駒ケ根市の市民課における住民票の写しや印鑑登録証明書などの交付に伴う手数料の支払いに電子マネーとしての利用を開始した。

 

2] 事業の内容

 

つれてってカードシステムは、つれてってカード協同組合が管理、運営している。つれてってカードは、JIS準拠でJICSAP仕様のICカードであり、その種類は、信用金庫が発行し金庫の口座と連動している信金提携カード(キャッシュカード)と組合が発行する買い物専用の組合カードの2種類ある。

電子マネーは、信用金庫のカード利用者の口座から現金をプリペイドのポイントとして、ATM(自動現金預入支払機)を通じて口座から引落し、振替えてつれてってカードに入金する。つれてってカードの利用者は、カードを用いて商品の購入(ポイントが加算される。)や総合病院の医療費の支払い(ポイントは加算されない。)に使用することができる。

つれてってカードにより、住民票の写しや印鑑登録証明書などの交付手数料を支払う場合、市民課の窓口に設置されている端末から専用回線を通じて手数料の支払い情報を信用金庫と協同組合へ送信する。信用金庫では、振替処理を行い協同組合の口座から市の収入役の口座へ手数料を振り込み、その日の内に精算できる仕組みになっている。

 

 

 

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