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磁気カードは、カードの表面に磁気ストライブを張ったもので、この磁気ストライブに情報を記録する。磁気カードは、記録した情報のアクセス(読み出しや書き込み)が簡単にできるため、不正アクセスを防止することは困難である。情報の記憶容量も80〜150バイトでICカードに比較すると小さく、磁石の近くに置くと情報の内容が変化し、使い物にならなくなる。

ICカードは、カードにCPU(コンピュータ)を内蔵したICチップを埋め込んだもので、このICチップには、標準タイプで8,000バイトの情報を記録できる容量がある。また、ICカードは、記録されている情報の利用に際して、CPUの機能を使用してアクセス制御を設定し、秘密鍵を記録し、パスワードなどによる本人確認などについて設定することが可能であるため、セキュリティに優れていると言える。

 

(2) ICカード利用の動き

 

地方公共団体において、行政サービスに初めてICカードを利用したのは、兵庫県五色町である。五色町では、昭和63年にICカードを使用した健康管理システムの運用を開始した。ICカード(健康カード)は、町が高齢者に交付し、このカードには、氏名、住所、性別、生年月日、健康保険証番号、血液型、病歴などの情報が記録され、医療の現場で活用されてきた。

近年の情報処理技術及び通信技術の急速な発展に支えられて、地方公共団体は、住民に対する福祉の向上あるいは地域社会の活性化を図る上で、積極的に地域情報化を推進することが求められてきた。

この状況に対応するため、自治省では、平成3年度からICカードを用いた地域カードシステム(標準システム)の構築を、地域情報ネットワーク整備構想(コミュニティ・ネットワーク構想)として位置付け、地方公共団体が推進する地域の情報化を支援してきた。

地域カードシステムでは、1枚のICカードに保有者である住民の保健、医療、福祉など複数の業務に係る情報を記録し、複数の行政サービスに利用している。地域カードシステムでは、地方公共団体から指定団体(17団体)を選定し、標準システムの開発を行ってきたところであり、現在では、指定団体の内、12団体で稼動している。

 

 

 

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