1] テレトピア構想の推進
郵政省は、昭和58年8月、ケーブルテレビやデータ通信等の情報通信メディアを活用して地域の情報化を促進し地域社会の活性化を図ることを目的としたテレトピア構想を提唱し、昭和60年3月以降、平成10年3月までに全国で174地域がモデル地域に指定されている。
テレトピア構想は、各種の情報通信技術、ICカードを含むニューメディア等をモデル都市に集中的に導入して各地域の抱える問題点を解決するとともに、これらが家庭、経済、地域社会に及ぼす効果や影響を把握し、今後の対応策や普及方策に役立てることを目的とするものである。
これまで指定された地域では、「観光・リクリエーション型」、「コミュニティタウン型」、「福祉医療型」など、それぞれの地域の特性に合わせたシステム構築が進められているが、ICカードを活用したものとしては、市民カード(出雲市)、福祉カード(岩国市、東広島市)、中讃総合カード(香川県中讃地区広域市町村圏)など多くの例がみられる。
2] 郵便貯金ICカード
郵政省では、郵便貯金磁気カードのICカード移行のための実証実験を、平成10年2月から埼玉県大宮市で行っている。平成10年9月末までの発行枚数は約5万枚である。このICカードは、従来の郵便貯金カード(キャッシュカード)に加え、いわゆる電子マネーとしてキャッシュレスショッピングの機能をもち、利用者はICカードに買上げ情報を入力するだけで貯金口座から引き落され、商店等で現金を使わずに買い物ができるようになっている。現在、利用できるのは、特定のスーパー、コンビニ、百貨店、公衆電話及び運輸機関であるが、今後は大手のクレジットカード5社との提携も計画されている。この計画では、クレジット5社の共通端末機を導入して一台の端末機ですべてのクレジットカードに対応させることとしており、利用者にとっても利便性が向上するとともに、カードの互換性についての問題解決も促進されるものと注目されている。