汎用電子乗車券システムの開発は、平成8年に設立された「汎用電子乗車券技術研究組合」が3年間程度を目途に、以下のステップで推進中である。
・第一段階:非接触型定期乗車券の実用化
・第二段階:前払式電子乗車券の実用化と非接触型定期券とのハイブリッド(併用)化
・第三段階:複数の公共交通機関を利用できる共通乗車カードの実用化
・第四段階:共通乗車カードと金融カード(クレジット、電子マネー等)のインターフェース技術の開発
平成10年度の開発状況では、非接触ICカードの実際の運用面での評価を行うための実証実験が、東京都の都営地下鉄12号線及び都営バスの新宿営業所路線において実施されている。この実験の内容としては、利用者は一枚のICカード(汎用電子乗車券)で、自動改集札機での入場・出場、乗り継ぎ精算、残高確認、バス乗車、定期券発行・継続発行、地下鉄カード(SFカード)の積み増し等ができるものとなっている。
(5) 郵政省
郵政省では、高度情報通信社会の構築に向けた各種の情報通信政策を推進しているが、このうちでも、地域情報化の視点から情報通信の利活用方法の開発、普及についての施策の推進を大きな柱としている。
郵政省の地域情報化に関連する施策としては、テレトピア構想、マルチメディア・パイロットタウン構想、先進的情報通信システムモデル都市構築事業、マルチメディア街中にぎわい創出事業その他様々な視点で地域指定、財政支援措置等が展開されつつあり、ICカードについても各種の分野でその活用への取り組みが見られるようになっている。
また、郵政省では、現在、郵便貯金ICカードの実証実験も行っており、ここでは、テレトピア構想の推進におけるICカードの活用と郵便貯金ICカードについて概観する。