5] ニューメディア・コミュニティ構想
新たな情報通信メディアにより、地域情報化を推進する地方公共団体等を支援するもので、ICカードの活用では、金融機関との提携カード、公共サービスなど多目的利用カードヘの発展が期待されている。この例としては、加古川市の医療保健カード、横浜市みなとみらい21地区エリアカード、各地の商店街カードなどがある。
6] 先進的情報システム開発実証事業
電子商取引事業の支援のため、98年度補正予算に基づいて民間企業等からプロジェクトを公募し実証実験を行うものである。ICカード関連の主なものとしては、「ICカードを活用した介護サービス事業者間のED1実証実験」、「マルチポイント型ICカードコミュニティーカードシステムの開発実証実験」、インターネットとICカードで地域的な情報サービスやオンライン・ショッピングを手軽に行えるようにする「エリアコマース・ネットワークシステム開発及び実証実験」などがある。
(4) 運輸省
運輸省では、公共旅客輸送部門における次世代型の乗車券として、ICカードを活用した汎用型の電子乗車券を平成12年度から実用化するため研究開発を行っている。
活用を予定しているICカードは非接触タイプ(電波で情報交換)のもので、開発中の汎用電子乗車券システムでは、非接触自動改札システムと共通乗車カードシステムの実用化を目指している。
○非接触自動改札システム
現在の自動改札システムは、乗車券を改札機に通さなければならないため、改札口の渋滞や高齢者・障害者が利用しにくいなどの問題がある。非接触タイプのICカードを利用することにより、乗車券をパスケースに入れたまま自動改札機のセンサー部にかざすだけで簡単に改札口を通過できるようにする。
○共通乗車カードシステム
現在の乗車券は一部の地域または区間を除いて、異なる鉄道事業者間あるいは鉄道・バス間等を共通利用できない。このため、乗客にとっては複数枚の乗車券を所持したり、輸送機関毎に運賃を精算しなければならないなどの煩雑さが問題となっている。共通乗車カードは、一枚のICカードで、電車・バス等複数の公共交通機関を共通利用できるようにするほか、乗車券をクレジットカード等としても使用できるようにするものである。