2] ICカード型電子マネーの優位性と分類
ICカードが電子マネーに用いられる理由としては、以下の点で優れているからである。
(a) セキュリティ性(ICカード自体のもつ耐タンパー性機能【不正な操作を行うと、カード上の情報が消失する仕組み】)
(b) オフライン性
(c) メモリ容量の多さおよび拡張性
(d) 多機能性(カスタマー・ロイヤリティ・プログラムやクーポン・プログラム等のデータに即応できる)
また、分類としてはマネーの流れ方や発行形態によって三つの視点から分類できる。
(a) ICチップに記録される「お金」の価値データの流れ(次頁図表参照)
(イ) クローズド型(Closed)
aのようにカード発行体と利用場所が同一であるケース。プリペイドカード等がこのタイプ。
(ロ) クローズド・ループ型(Closed-Loop)
bのようにカード発行体と利用場所が異なっているケース。
(ハ) オープン・ループ型(Open-Loop)
cが示すように消費者、銀行、ショップの三者間で価値が転々とするというタイプ。
セキュリティの確保はそれぞれにおいて重要だが、特にオープン・ループ型はまさに紙幣や硬貨のように「価値」が転々と移動する。従って、最も高いセキュリティが求められるが、利用者にとっては最も利便性が高い。