ICカードの実用化が進められている具体的なサービスには次のものが挙げられる。
1]電車・地下鉄の改札
2]バス料金支払い
3]空港搭乗手続窓口
4]タクシー料金支払い
5]駐車場料金支払い
6]有料道路料金支払い
7]スキー場のリフト乗り場
2-1-4 金融分野
(1) 電子マネーのタイプ
1] ICカード型とネットワーク型
電子マネーはICカード型とネットワーク型の2種類に大別できる。
ICカード型はICチップを内蔵したカードに金銭価値を充填し、買い物などをすることでその価値を「出力」したり、ATMや電話、インターネットを通じて再度価値を「入力」して活用する。小切手やクレジットカードが一般に浸透している欧米では、これらで対応できない実生活上の小額決済において硬貨や紙幣の代替としてICカード型電子マネーのニーズが高い。
一方、ネットワーク型はインターネットのようなオープンなネットワークの仮想空間で「お金」の働きをするサイバー(仮想)マネーのことをいう。あくまでもネットワーク上のみで流通するものであるが、各種電子商取引において取引と決済がスムーズ、また低コストでできる。しかしインターネットのセキュリティやプライバシー保護の面で解決すべき課題があり、そのための研究が盛んに行われているところである。
このような状況下で電子マネーはネットワーク型よりもICカード型を中心に開発が先行している。しかしながら、世界各国の有力企業がセキュリティの高いICカード型電子マネーをベースにしてネットワーク型電子マネーを融合させた、より利便性の高い電子マネーの開発に力を入れるようになってきている。結果として、物理的な店舗とオンライン市場との双方で電子マネーを安全に且つ便利に利用できれば、消費者の電子マネー利用は一気に拡大していくと思われる。