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提言4:多目的ICカードの普及・定着のために必要な方策を検討し、推進する必要がある。

 

1. 多目的ICカードによる行政サービスの向上をはかるために、1枚のICカードによるサービス対象の拡大、サービス内容の充実が図られるべきである。

2. 1枚のICカードに多種の個人情報が蓄積され、複数のアプリケーションにアクセスできるようになることから、このカードのセキュリティ強化が求められる。

3. ICカードの利用に伴う問題として一般的にいわれるプライバシー問題の大半は、現行の法制度で対応できるものであるが、行政側は無用な誤解を解く努力を払い、併せて今後必要となる方策を検討すべきである。

 

1. 普及・定着方策の推進

 

ICカードの今後の利用普及、定着を進めるために、メリットを増やし、デメリットをなくしていく必要がある。前者では、多目的ICカードのサービス対象の拡大、内容の充実が必要であるし、後者は、特に個人情報の保護方策の確立が必要であろう。

ICカードのメリットが大きくなれば自ずと普及が進むであろう。そのためにも、1枚のICカードでどれだけのサービスが受けられるかという便利さがまず重要になる。

住民基本台帳ネットワークにおける住民票カードが本人確認のための手段としてすべての行政機関において利用できるようになるということは、大きなメリットであり、国民の便利さの観点から大きく評価されると考えられる。また、複数の行政機関のアプリケーションにアクセスしたり、サービスを受けられるだけではなく、一度のアクセスで複数機関に関連するサービス等が完結するというワンストップサービスにつながることも重要なポイントである。

デビット・カード機能を組み込むことによって、行政サービスに伴う支払い処理も併せて実行できることが便利さを増すことは間違いない。

ICカードの使いやすさも広く一般に普及させるための重要な要素であろう。

 

2. セキュリティの強化

 

ICカードはパスワードの暗号化により、磁気ストライブのカードと比較してカードの紛失、盗難による悪用に対して安全性が高い。暗号化技術に完全性を求めることはできないとされているが、その解読に多くの労力、費用を要することから、事実上、なりすましによる悪用に対するセキュリティ上の問題はほとんど無視できるといえよう。

 

 

 

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