関係機関間の調整の重要な事項として、標準化の推進がある。データ項目、データ・コード、個人識別コード等のカードに記載するデータに関する標準化や、カードの物理的特性、読取装置等ハードウェア面の標準化、暗号化及び解読の方法等のソフトウェア面の標準化、ネットワーク関連の標準化等、多くの作業が要求されるであろう。
1枚のICカードでワンストップサービスを実現するとなると、ICカード上の共通個人コードと、関連するアプリケーション上の個人コードとの対応も必要になる。既に多くのアプリケーションにおいて、独自のコード体系を使った個人コードが付与されている状況において、この関連付けは大きな負荷を伴う作業となる筈である。
例えば、市町村間の住所異動に伴うワンストップサービスにおいて、市町村によって、コード体系、桁数はかなり異なっている筈であり、これらのコードを全部振りなおすことは不可能である。市町村独自の住民票コードと住民基本台帳ネットワークにおける全国共通住民票コードとの対応テーブルを作成し、リンクする方式をとることとなろう。
さらに、この住所異動の場合に、氏名、生年月日、性別、住所の基本4情報以外に、住民基本台帳に登録されているデータのうち何をネットワーク上で交換するかという点も、市町村間の調整に委ねられている。