提言2:ICカードによるサービス内容は民間サービスを含めた、広範なものとするべきである。
1. ICカードによる最も基本的なサービスは身分証明とネットワーク上の本人確認である。ICカードを国民IDとして位置づけることによって、身分証明とネットワーク上の本人確認手続、手段を持つことになるのである。
2. 国民にとって便利な登録、給付等に関連する主要な行政サービスの入手を可能にするべきである。
3. ネットワークを活用した新しい行政サービス形態を実現する手段として、ICカードが導入されるべきである。
4. 手数料、使用料、各種納付等の支払いを可能とするデビット・カード等との連結が検討されるべきである。
1. 国民IDとしてのICカード
我国には身分証明を公的に行う手段がなく、さらになりすましを防止するどころか、本人であってもネットワーク上でそれを証明し、主張することができないことは既述のとおりである。したがって、ICカードの最も基本的な機能は国民IDとして、身分証明、本人確認を可能にすることである。
そのためには、カードの表面に本人の写真が貼付されていると、対面による本人確認が可能である。西欧諸国では、多目的ICカードに写真を貼付して、従来の紙による国民身分証明書に代えている例がみられるが、未だパイロット段階であり、一部地域内の試行にとどまっている。
行政機関の窓口に読取装置が設置されていれば、ICカード内に記載されている個人情報をパスワードで読み出すことによって本人確認ができるし、もちろんネットワークでも可能である。