8 四肢をけがした場合(四肢外傷)
打撲、骨折、捻挫、脱臼等いろいろな症状があるが、状態を良く観察して適切な処置を施さなければならない。
(1) 打撲した時
皮膚に傷がある場合は、傷口を水道水でよく洗い、ガーゼ等を当てて包帯する。腫れてくるようであれば、包帯の上から氷等で冷やす。
傷がなく単なる打撲であれば、患部をガーゼ等で覆い、その上から濡れタオル等で冷やす。
(2) 骨折が疑われる時
骨折したかどうかは、X線検査をしなければ分からないが、負傷部位が変形し激痛があれば骨折を疑って処置する。また、外見上からは分からなくても、痛くて動かせない場合には骨折しているものと考える。
・ 骨折の手当ての手順
骨折の場合は、なるべく移動させずその場で手当てするのが原則である。やむを得ず移動させなければならない場合は骨折部位を確実に固定してから移動させる。
1] 傷、出血の手当て
止血、傷口の消毒を行う。
開放性骨折(折れた骨片が皮膚を突き破って出ているもの)の場合は、骨の端に触ったり、押し込んではならない。
2] 骨折部位の固定
骨折部位がずれないように、骨折部位の上下2か所の関節に届く長さの副木を当てて固定する。副木で固定した内側に隙間があれば、タオル等の柔らかい布等を入れて隙間をつめる。
専用の副木がなくても板きれ、週刊誌、ダンボール等を利用して固定できる。
3] 移動
骨折部位を固定したらその部分に負担やショックを与えないようにして移動させる。