3] 脈、呼吸等の確認
胸部のけがの場合は、外見では軽い傷のようでも呼吸困難や出血性ショックを起こすことがあるので、呼吸や脈の状態には十分注意しなければならない。
脈がなければ心肺蘇生を行い、呼吸があれば傷の手当てを行う。
4] 傷の手当て
傷があれば、清潔なガーゼ等を当て、その上から絆創膏等で止める。
6 首・背中をけが(打撲)した場合(頸部損傷・脊椎損傷)
背骨には中枢神経系の脊髄という重要な器官があるので、手当てには十分な注意が必要である。
・ 手当ての手順
1] 呼吸状態の確認
頸髄(首を通っている神経)が損傷すると、呼吸麻痺を起こすことがあるため、呼吸の有無や状態を調べる。
呼吸がなければ、気道開放し、人工呼吸を行う。気道の開放の際には、頸髄が損傷していることがあるので慎重に行わなければならない。
2] 四肢の動きの確認
首や背中を強打すると、脊髄が傷つき、四肢の麻痺を起こすことがあるため、四肢が動かせるかを確認する。
3] 傷病者は原則として移動させない
背骨を骨折している可能性があるため、原則として傷病者は移動させてはならない。
ただし、その場所が危険である等どうしても移動させなければならない場合には、なるべく多人数で首や背骨に無理がかからないように細心の注意を払って移動させる。
移動の後寝かせる場合には、床の上等固くて平らな場所に、背筋を伸ばした姿勢で仰向けに寝かせる。首は動かないように丸めたタオル等で両側を固定する。マットレスには、首や背筋が曲がるので寝かせてはならない。