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頭部を怪我した場合には、首の骨や神経が損傷していることがあるので、気道を開放する場合には下顎拳上法によるものとする。

2] 止血

頭部は血管が多いため、出血量が多くなりがちであるが、慌てずに落ちついて止血する。

傷口に清潔なガーゼ等を当て、傷口接待をしっかりと圧迫する。

出血がなく、こぶができてきる場合は、氷のう等で冷やす。

3] 安静体位

基本的には頭をやや高め(15〜30度程度)にして、静かに寝かせる。この時、楽に呼吸ができるように、首を前に曲げてはならない。

図1-28 安静体位

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5 胸部をけがした場合(胸部外傷)

胸部のけがで最も多いのは、打撲による肋骨骨折である。肋骨を骨折すると、呼吸のたびに骨折した部位が痛む。2〜3本の単純な骨折であれば呼吸困難は軽いが、数本以上の骨折によると、強い呼吸困難が現れてくる。更に、骨折した肋骨の先端が肺や血管を傷つけると危険な状態となる。

・ 手当ての手順

1] 安静本位

着衣を緩め、傷病者にとって最も楽に呼吸ができる姿勢をとらせる。

刃物や棒が刺さっている場合には、これを抜いてはならい。抜くと、出血が悪化する。

2] 楽な呼吸

呼吸のたびに胸の痛みを訴えたり、呼吸困難があるときは、静かに呼吸させる。この時、幅の広い伸縮性包帯や帯等で胸を巻くと、呼吸による胸の動きが抑えられ、胸の痛みが若干軽くなる。

 

 

 

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