(2) 切り傷の手当て
傷口に清潔なガーゼ等を当てて、圧迫止血により出血を止める。その上から包帯する。
なお、傷口が汚れている場合は消毒する。
(3) 刺し傷の手当て
基本的には、刺さっているとげや釘を抜いたうえで、血液を絞り出して細菌を押し出し、消毒薬を塗る。
イ とげが刺さった場合
毛抜き等を使用して刺さっているとげを抜く。
とげを抜きにくい場合は、刺さっている周囲をつまむか、あるいは5円硬貨又は50円硬貨の穴の部分を刺さっている部位に当てて押すと比較的容易に抜きやすい。
ロ 釣針が刺さった場合
針先が皮膚を突き抜けて頭を出している場合は、針先か針の根本をペンチ等で切り落とし、切り落としたほうを皮膚の中にくぐらせて抜く。これ以外の場合には、無理に抜いてはならない。
ハ 釘を踏み抜いた場合
刺さっている釘を抜いて、消毒した後なるだけ早く医師の治療を受ける。
例え傷が小さくても、後で化膿したりすることがあるので、必ず医師の治療を受けなければならない。
4 頭部をけがした場合(頭部外傷)
頭部外傷には、頭皮の損傷、頭蓋骨骨折、頭蓋内出血、脳挫傷等がある。
頭部外傷では、受傷時に意識がはっきりしていても、時間経過とともに意識障害が現れてくることがあるので、どのような場合であっても時間を追って経過を良く観察しなければならない。
・ 手当ての手順
1] 意識状態の観察
傷病者の耳元で声をかけて意識の状態を調べる。また、同時に吐いたり、けいれんしていないかを観察する。
意識状態が悪い、激しい頭痛を訴える、何度も吐く、けいれんが続く場合には、気道の開放を行い、吐いた物は取り除く。