II 容体のみかた(観察法)
事故現場では迅速に傷病者の負傷等の状態を正しく判断し、適切な処置をとらなければならない。このために、正しい観察法を習得しておくことが必要となってくる。
巡視船内等では限られた観察しかできないので、救助者の五感による観察が重要となる。その要点は次のとおりである。
・ 問診・・・・・・・・・傷病者の訴えを聞くだけでなく、どのような傷病であるかを想定し、十分時間をかけて質問、会話等により状態を確認する。
・ 視診・・・・・・・・・皮膚の色、粘膜、爪の色、呼吸状態、創傷の有無等の静的状態のみならず、歩行動作等の動態についても注意して見る。
・ 触診・・・・・・・・・漫然と触れることなく、痛みを訴えているときは、その原因を推定しつつ、掌全体で痛みのない周辺から静かに触れ、次第に要所に進める必要がある。
・ 嗅診・・・・・・・・・吐物、尿、便、アルコール、薬物等の臭いを嗅ぐ。