5.2.5 埋蔵メタンハイドレイトの開発
海洋それも深海底には膨大な量のメタンガスが、海水との化合によって出来たメタン水和物(メタンクラスレイトハイドレイト)の形で埋蔵されていることが発見されている。日本の近海にも例えば、四国沖での存在が確認されている。メタンCH4は燃焼時のCO2やSOxの発生量が少なく環境問題をクリヤーしやすいエネルギー源として再び見直され、LNG需要は今後さらに高まっていくものと予想されている。
多くのガスは水と結合して固体の結晶体を作り、これを水和物とよんでいるが、メタンハイドレイトはそのようにして出来たものである。もう少し詳しく言えば水分子が内部に5〜6オングストロームの空隙をもった立体網状構造を作り、その空隙にメタンガスがはいりこんで出来たもので、理論化学式は、CH4・5.75H2Oとなるが、分子構造模型を図1に示す。これから計算されるメタンハイドレイト中のメタンガスの理論含有量は水1kgに対して216リッターとなる。実際は空隙の全てがガス分子で満たされることはないため、充足率は70〜80%で、それでも150リッターほど含まれている。
ハイドレイトが出来る条件はガスの種類で少しずつ異なるが、一般的には高圧、低温環境が必要である。海底地層はこの条件を満足しているため、メタンハイドレイト層は、海底下数100メーターくらいの深さまで世界各地に広く分布していることがわかってい