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4.6.3 造船所と舶用工業関連メーカーの連携強化

造船所と舶用工業は運命共同体的な関係にある。舶用工業の継続的な資機材の安定供給がなければ造船所の存続は保証されるものではなく、また舶用工業は造船業に依存している。従って、両者の一体となった体質改善は厳しい船価対策に対しコスト削減効果を持たらすことになる。舶用工業製品の引き合いから納品後の決済に至るまでに費やされる、造船所と舶用品メーカーの時間と労力は両者にとって少なくはない。これらは結局コストであり船価に跳ね返っていることになる。

折しも、大手造船所と舶用工業は平成10年から3カ年をかけた造船Web「舶用機器設計・技術情報の交換の高度化に関する開発研究」を推進しているところである。

(造船事業者と舶用メーカーの間で船舶の設計・建造に必要な技術情報の交換を効率的に行うためにネットワークを構築するもの。)

技術情報交換の電子的システムの開発と交換情報の整理と標準化が開発の主な内容である。現時点では主要な造船所と舶用工業が参加しているが、将来は多数の中小企業がネットワーク上で業務を行うことを考慮されている。

平成8年度の報告書「九州地区中小造船業の明日を考える」で情報ネットワークの構築が提案されていたが、今回、構造改善の一つとして小造船所を中心に大学、業界の有識者、設計会社からなる「造船情報ネットワーク連絡会(仮称)」が発足されたところである。今後この連携の場を核にしながら連絡会がさらに拡大していくことが望まれるところである。設立の主な目的は

1] マルチメディアを利用した情報ネットワークの構築

2] 企業間の人間的信頼関係の醸成

3] 経営資源の相互補完

4] 情報や意見交換の場づくり

5] 業界の課題解決や活性化

などである。

当面のテーマとしては以下の事項から検討を始めることとしている。

1] 情報の発信

2] 標準のデータ共用

3] 図面標準化

4] データ交換の標準化

5] 一般情報の交換

 

 

 

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