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やニーズに敏感であり、アイデアを具現化できる優秀な技術者を擁しておりニーズの望む商品に具現化するノウハウを備えている。すなわち、独自の技術力を中核として世界市場をターゲットにした経営をおこなっているのである。

高齢化と少子化ならびに若手労働者の不足が顕在化し人的経営資源が揺るぎ始めている。造船業・舶用工業の経営者にとって適正な雇用の確保と技術・技能の伝承が重大な課題となってきている。造船業・舶用工業が営々と築き上げてきた技術・技能は貴重な経営資源であり今後とも近隣諸国の追従を許さないためにも一層強力にそのポテンシャルを高めるとともに、さらに高度な技術の開発に積極的に挑戦していける技術集約型の企業体質の構築を図っていかなければならない。

 

4.4.3 技術力向上の方向

1) 新商品・新技術の開発

物流効率化やモーダルシフトを推進する経済性や輸送効率の高い船舶

小型のコンテナ船やRO/RO船

地球環境保全に適応した船舶

超自動化船

自律推進型作業船

2) 造船技術力の向上

生産システムの効率化

マルチメディアを利用した設計・生産技術の開発

3) 需要創出の促進

大学・各種研究機関又は他の企業との連携の強化

共同技術開発や技術提携による効率的な開発の促進

関連事業者と協調した新商品・新技術の開発

 

4.4.4 技術開発による効果

中小造船所といえどもこれからは、独自の技術、新しい技術を基盤とした技術主導型経営を指向する必要がある。企業が独自の技術力とこれに基づく付加価値の高い製品を保有することは、従業員の自信を高めると共に内外の顧客や関係者から注目されることになり、体質改善や企業のイメージチェンジにつながり若手に夢を与え、興味をもたらすことになる。結果として社員の意識が向上し、若い技術者の雇用確保や求人にも功を奏し経営に間違いなく貢献するものと思われる。

 

 

 

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