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データベースは各メーカーから提供されるものとなる。従来は階層型のデータベースが一般的であったが、現在徐々にリレーショナル型のデータベースに移行されている。

取り扱えるデータが大量のため、集中型で大量のトランザクションを一定時間内に処理しなければいけない業務に向いている。

ホストを最終的なデータのプールとして、必要なデータの入力は分散機で行い、ホストに送信する形態は一般的になっている。またホストのデータを一定期間分データウェアハウス(*4)として分散機またはLANサーバーに落とし、各事業所でユーザーが自分の必要な形に加工して利用する形態も徐々に広まっている。

通信機能の信頼性は高いので、国際的な高速ネットワークの構築が可能である。

価格は数千万円からとなる。

(*4) データウェアハウス

意思決定支援システム(DSS)用に最適化したデータベース。できるだけ加工していないデータを長期間に渡って時系列で保存することで、問題点を発見したり、原因の究明を可能にするのが特徴。

 

4.4.4 船陸間システムについて

(1) 現状インフラでのシステム

現時点でのインフラ及び各種技術を利用して船陸間のシステムをイメージしてみる。

船内においてのLAN化は客船を筆頭に浸透しつつある。古い船舶においては、安定的な電源、ハードウェアの設置スペース、LANケーブルの施設など、問題点は多い。しかし、この問題さえクリアーできれば、10BASE-TのLANは技術的な問題点も無く容易に構築可能である。サーバーの性能・容量も大幅に向上し、大量のデータが発生し保管を必要とする各種機器の状態のLOGなども問題なく保管可能である。

ここでもっとも問題となるのは船陸間の通信能力である。海技協会の調査によれば、衛星を利用した現在の通信速度は9600bpsが限界である。現実にはこの程度の速度でも場合によっては不安定な状態となり、長時間安定した接続は望めないし、コスト面でもかなり割高となる。

9600bpsの通信線で安定した通信ができる時間を3分とし、回線の利用効率を80%とすると、9600bps/8bit*0.8*180sec=173Kbyteが一度に通信できる最大のサイズとなる。モデムのプロトコルによる圧縮で4倍のデータ量を送信できたとしても、約700Kbyteとなり、2HD(1.4MB)のディスケット半分の量しか送受信できないことになる。

最近のインターネット等では、マルチメディア情報、すなわち画像、音声の送受信は一般的であり、更には動画(*5)をリアルタイムに圧縮・送信するストリーミング技術の標準が確立されつつある。このストリーミングに必要な通信能力は、一般的な音声で16Kbps、FMラジオで40Kbps、動画では液晶TV程度の画像で64Kbpsといわれている。

 

 

 

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