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2] エンティティ間の関連(カーディナリティ)の識別

企業活動の基本となっているビジネスルールをもとに、洗出したエンティティ間の関連の識別を行う。例えば、販売会社では「顧客」は重要な管理対象でありエンティティとして捉えられる。

販売会社はこれらの顧客から商品の注文を受けるのことが企業活動の基本の1つである。注文を受けるビジネスルールとして、同じ顧客から注文が繰り返し行われること、一回の注文で複数の商品が対象になることなどがあげられる。この場合、「顧客」だけではなく「受注」や「商品」も管理対象であり、エンティティとして捉えられる。

この例では、企業の基本活動から「顧客」、「受注」、「商品」の3つのエンティティが識別できる。

ビジネスルールより、「顧客」エンティティの1つのインスタンスに対し、「受注」エンティティの複数のインスタンスが対応する。更に、「受注」エンティティの1つのインスタンスに対し、「商品」エンティティの複数のインスタンスが対応する。このような対応関係をカーディナリティと呼ぶ。

3] エンティティの定義

識別したエンティティとカーディナリティをもとに各エンティティの正確な定義を行う。各エンティティの名称、実体の正確な記述、識別子などを定義する。

 

エンティティ関連図

082-1.gif

082-2.gif

(注) 矢印は、1:複数を示す

 

4] エンティティのデータ属性の洗出し

定義した各エンティティに対して、ユーザーへのインタビューや業務で利用されている帳票、画面からデータ属性を洗い出す。

エンティティライフサイクル(インスタンスの発生から消滅に至るまでのことで、この間にインスタンスに係わる事象を含む)からの検証も必要である。

 

 

 

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