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5] データの正規化による概念データモデルの検証

データの正規化はエンティティとデータ属性の関連を分析するために行われる。

データの正規化の意義は、エンティティとそれに属するデータ項目の識別、データの冗長性の排除、整合性の維持があげられる。これにより、エンティティの過不足、エンティティとデータ属性の妥当性の検証ができる。

2) アクセス分析

索引の設計や処理効率の改善のためにアクセス分析を行う。

具体的にはユーザビューがエンティティをどのように使用するかを分析する。

分析は以下の手順によって行う

1] 各エンティティインスタンスの調査

ユーザーからのヒアリングなどから、現在の件数及び年増加率を調べる必要がある。これらの数値はデータベースの容量見積りに使用するだけではなく、ユーザビューごとのアクセス件数を把握するために必要となる。

2] ユーザビューの識別

システム分析の段階での現行業務の調査や、新システムへの新要件の中からユーザビューを識別することができる。具体的には、システム業務フローの各処理機能が使用する入力情報がユーザビューとなる。

3] 各ユーザビューのエンティティヘのアクセスモードとアクセス件数の分析

先ず、識別したユーザビューごとの使用頻度を調査する。

・ バッチの場合はジョブの実行回数

・ オンラインの場合はトランザクションの処理件数

次に、ユーザビューごとのアクセスモード(読み取り、挿入、更新、削除)を明らかにする。

これらの調査結果に各エンティティのアクセスモードごとの応答時間を加味することで、ユーザビューごとの応答時間を見積もることが可能となる。

4] 各エンティティごとの使用回数

各ユーザビューごとのエンティティアクセス件数の算出と同時に、エンティティごとの全アクセス件数も算出する。更に各エンティティヘのアクセスに使用する検索キーを明確にしておけば、キー項目ごとの合計アクセス件数が算出でき、索引候補の決定やレコード順の決定に役立てられる。

 

 

 

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