障害時の復旧、各サーバーのデータの整合性、セキュリティなど、様々な問題を克服するため高度な技術を必要とするが、複数のサーバーを設置することにより、サーバーの負荷分散が可能である。
分散データベースの形態には2種類存在する。
1] データを幾つかに分解して複数のサーバーに入れておく方法
それぞれの利用者が必要なデータに偏りがある場合、その必要なデータが複数のサーバーに分散されているならばサーバーの負荷分散が可能となる。
2] 同じデータを複数のサーバーに入れておく方法
1つのサーバーが故障しても、残りのサーバーで対応できるので、障害の影響を受け難い。また、サーバーの負荷分散も可能である。
この他の特徴として以下のような点があげられる。
・ データ量の増加に対して、サーバーやデータベースの追加で対応できる。
・ データベースの使用頻度の高い地域にサーバーを設置することにより、通信費を削減することができる。
・ データベースの容量、サーバーを必要性に応じて最適な選択ができる。
・ 利用者の近くにデータベースを置くので応答時間が早い。
4.4.2 情報システム開発とデータベースシステム
(1) 情報システム開発
1) 情報資源管理の重要性
企業活動を効率的に行うための1つとして、情報またはデータを企業の共有資源として管理する情報資源管理(IRM)が重要である。
企業の取扱うデータを、統制あるいは統合された形で管理するためには、長期で不変的な実世界の情報を正確に理解する必要がある。そのためには、実世界の情報と情報間の関連を正確に認識し、トップマネジメントを含めて、企業における情報システムのあり方を計画することが重要となる。
2) 情報システムの発展過程
現在に至るまでの情報システムの発展過程を振返ってみる。
(1979年にR.L.ノーランが「ステージの理論」として情報システムの発展を段階的に説明している)