4) 記帳事務の省力化(保税台帳に必要な情報をシステムで保有)
[現状]
保税台帳は紙での保存が義務づけられている。
[導入後]
保税蔵置場の貨物管理にかかるほとんどの手続きをシステム化し、記帳すべき事項のほとんどが次期Sea-NACCSのホストコンピュータに入力されることとなる。このシステム処理された保税台帳の記載事項は、通関情報処理センターから保管資料として週毎に提供し、そのデータを利用者側で保管することにより保税台帳とする考え方が示されている。具体的なことは管轄の税関に別途相談とする。
[効果]
記帳事務の省力化、ペーパレスの実現。紙自体のコスト、文書保管に係わる各種コストの低減につながる。
(7) 船社の対応
現状ではシステムの利用を税関によって即強制化されることはなく、自社のシステムから直接接続をしようとする船社は少ないようである。
直接接続のメリットは、データをSea-NACCSのために打ちかえる必要が無く、タイムリーに通関の申請を行うなどメリットが享受できることである。しかし、接続のためには、自社独自のシステムから、Sea-NACCSの要求するレコードレイアウトにデータを編集し、コードをコンバージョンし、間違いなくデータが送受信されることを確認するための管理機能を作り込む必要がある。当システムは少なく見積もっても数千万円の規模となり、現状では即時対応する船社は少ないと見られる。
現実の対応では、パッケージ利用によるデータの手入力が考えられる。この方法では、自社システムから直接リンクさせることは出来ないが、入力されたデータはSea-NACCSを通して処理され、紙による煩雑な処理が軽減される。
しかし各船社としては、いつまでも無駄な手入力経費やタイムラグを放置しておけないと思われる。自社システム再構築の際に取込むべき基本機能の一つとなるであろう。
参考文献:
NACCS通関情報処理センターホームページ
(URL: http://www.naccs.go.jp/)
海上貨物情報処理センター公開資料