船内情報連絡網としてのLANは構築されておらず、S/B時等の船内連絡は全てトランシーバにより行われていた。
3] 我々が調査した情報内容はほぼ網羅されていると思うが、船位通報制度に対応した連絡、天気図の受信及び新聞ニュース受信等の通信方法は、情報システムの進歩と共に改善が期待されるところである。
4] 第4種近代化船の就労状況とメンテナンス要員
別項(3)に示したように、日本人乗組員11名は船舶運航要員としては最低員数であり、航海当直、S/B時配員等をみると正に、一人何役も消化しなければならない状態である。運航要員しか乗船していなければ当然、船体、機器の整備は不十分となる。
外国人メンテナンス要員の乗船により、メンテナンスの一部は実施されているようであるが、実態は清掃、塗装が主となっている。技術の必要な機器の整備には不安を感じる。少人数船及び日本人船機長だけの国際船舶制度を考えた場合、情報通信設備の充実が不安を取り除く上で有効な手段の一つと考えられる。
5] おわりに
乗船調査に当たり、タイトな運航スケジュールの中で乗船の許可を下さった大阪商船三井船舶株式会社スタッフの皆様及び多忙の中で調査にご協力頂いた船長始め乗組員の皆様に深甚の謝意を表します。